2011年8月13日土曜日

屋上発電所:直流12Vの難しさ

独立型太陽光発電システムは通常12Vで作るシステムと24Vで作るシステムがあります。我が家のシステムは12Vです。

12Vという電圧は、自動車のバッテリと同じ電圧で対応機器が多く、システムを組みやすいという特徴があります。実際、多くの人は12Vと24Vなら、12Vのほうが電圧も低いし扱いやすいと考えているのでは無いでしょうか?

ところが、これは全く逆で、12Vという極めて低い電圧を扱わなければならないゆえの問題点と危険が出てくるのです。

その問題は二つ。電流電力損失

もし600Wの電気製品を動かすために、バッテリから電気を送ることを考えると、

12Vシステムの場合は、600(W)/12(V)=50(A)
24Vシステムの場合は、600(W)/24(V)=25(A)

交流100Vであれば、600(W)/100(V)=6(A)

同じ電力を使用する電気製品でも、それを動かすために必要な電線は、交流100Vであれば、どこででも売っているよく見かける電源コードで充分なのですが、直流12V/50Aともなると個人の住宅では見たことの無いような極太の電力用ケーブルが必要になります。

ここで知らずに「1500Wまで」と書かれた100V用の延長コードの電線などを流用して、600W12Vで使うと電線が燃えます!火事になります!1500Wまで使えると書いてあってもです。

次の問題が送電ロス。

普段あまり気にしませんが、電線にも抵抗があります。

もし10mの配線をして、120W(10A)の電気製品を使うことを考えてみます。

AWG18 (0.82mm2, 21.0Ω/km) の場合10.0mで0.210Ω
電線での電力損失は21.0W、電圧降下は2.52V (機器入力電圧は9.48V)

AWG14 (2.08mm2, 8.29Ω/km) の場合10.0mで0.0829Ω
電線での電力損失は8.29W、電圧降下は1.45V (機器入力電圧は10.6V)

AWG10 (5.26mm2, 3.28Ω/km) の場合10.0mで0.0328Ω
電線での電力損失は3.28W、電圧降下は0.27V (機器入力電圧は11.7V)

たかだか120Wの電気製品を使うために、わずか10m電線を伸ばしただけで、細い電線だと1.45~2.52Vも電圧が下がるのです。端子電圧が10.6Vではたいていのインバータは動作しないでしょう。

どうです、12Vの電圧で100~300W程度の電気製品を使いこなす難しさが、少しでも分かったのでは無いでしょうか?